甘い運命
1-36
「え…何で?」
私は目の前で見たのに。
その話も、岬にちゃんとしたのに。
「…うーん、勘のようなものだけど。
ここへ来たときの必死な感じとか、会わせずに帰したときのガッカリした感じとか……
とにかく、『友達』って感じじゃなかったの。
あとね、…おねーちゃんの男友達ってさ、私とおねーちゃんが一緒にいると、私に関心持つことが多かったじゃない?」
「そりゃ、岬が美人だからじゃない。当たり前でしょ。」
「……そういうこと、嫌みとかじゃなく、しれっと言えるの凄いよね。
おねーちゃんの器の大きさは取り敢えず置いといて、あの人、多分私個人に一切関心持ってなかった。」
「えぇぇぇぇ!!あり得ない、こんな美人なのに!可愛いのに!自慢の妹なのに!!
三上さんめ……!」
「──いや、おねーちゃん、論点がかなりズレてる。」
頭が痛そうに、自分のこめかみをグリグリする岬。
自分が変なとこでキレているのがわかる。きっと熱のせいだ。
何だか可笑しくなってケタケタ笑っていると、岬がぱん、と手を叩いた。
「──ともかく!要するにね、逆を返せば、おねーちゃんには関心アリアリってことだよ?
それに、わざわざ家にまで来て、顔を見たがって、断られたらしゅんとして、とか。
……うーんやっぱり、よっぽど女好きで何股もできる人ならともかく、好きな女性がいて、更におねーちゃんにそういう行動ってできるもんなのかな?」
「──だって三上さんにとって、私たち友達だもん。
友達なら、心配くらいするよ。」
私は微笑んだ、と思う。
岬の方が、痛そうな表情をした。
「…とにかく、もういいの。
岬の言うとおり、関わらないようにするから。
心配かけてごめんね…」
「おねーちゃん………」
岬はまだ何か言いたそうだった。
でも、ふっと微笑んで、首を振った。
「おねーちゃん、とにかく、無理はしないで。
もうすぐ雅人さんが迎えに来るだろうけど、何かあったら飛んで来るから。
おねーちゃんは、私にとって太陽なんだよ。
いつでも元気で、楽しそうでいて欲しい。
だから、おねーちゃんが辛いときは、本当にすぐ駆けつけるから。たまには私を頼って。」
「ありがとう。いい妹を持って幸せだわぁ……」
たくさん話して、疲れたみたい。
私は強い睡魔に襲われた。
「…明日も来るから、ゆっくり休んで……」
岬の声を遠くに聞きながら、私は眠りに落ちていった──
私は目の前で見たのに。
その話も、岬にちゃんとしたのに。
「…うーん、勘のようなものだけど。
ここへ来たときの必死な感じとか、会わせずに帰したときのガッカリした感じとか……
とにかく、『友達』って感じじゃなかったの。
あとね、…おねーちゃんの男友達ってさ、私とおねーちゃんが一緒にいると、私に関心持つことが多かったじゃない?」
「そりゃ、岬が美人だからじゃない。当たり前でしょ。」
「……そういうこと、嫌みとかじゃなく、しれっと言えるの凄いよね。
おねーちゃんの器の大きさは取り敢えず置いといて、あの人、多分私個人に一切関心持ってなかった。」
「えぇぇぇぇ!!あり得ない、こんな美人なのに!可愛いのに!自慢の妹なのに!!
三上さんめ……!」
「──いや、おねーちゃん、論点がかなりズレてる。」
頭が痛そうに、自分のこめかみをグリグリする岬。
自分が変なとこでキレているのがわかる。きっと熱のせいだ。
何だか可笑しくなってケタケタ笑っていると、岬がぱん、と手を叩いた。
「──ともかく!要するにね、逆を返せば、おねーちゃんには関心アリアリってことだよ?
それに、わざわざ家にまで来て、顔を見たがって、断られたらしゅんとして、とか。
……うーんやっぱり、よっぽど女好きで何股もできる人ならともかく、好きな女性がいて、更におねーちゃんにそういう行動ってできるもんなのかな?」
「──だって三上さんにとって、私たち友達だもん。
友達なら、心配くらいするよ。」
私は微笑んだ、と思う。
岬の方が、痛そうな表情をした。
「…とにかく、もういいの。
岬の言うとおり、関わらないようにするから。
心配かけてごめんね…」
「おねーちゃん………」
岬はまだ何か言いたそうだった。
でも、ふっと微笑んで、首を振った。
「おねーちゃん、とにかく、無理はしないで。
もうすぐ雅人さんが迎えに来るだろうけど、何かあったら飛んで来るから。
おねーちゃんは、私にとって太陽なんだよ。
いつでも元気で、楽しそうでいて欲しい。
だから、おねーちゃんが辛いときは、本当にすぐ駆けつけるから。たまには私を頼って。」
「ありがとう。いい妹を持って幸せだわぁ……」
たくさん話して、疲れたみたい。
私は強い睡魔に襲われた。
「…明日も来るから、ゆっくり休んで……」
岬の声を遠くに聞きながら、私は眠りに落ちていった──