甘い運命

1-4


「「カンパーイ!」」

19:00前に仕事を終わらせ、メッセージアプリで三上さんに連絡すると、デキる男の彼はもう会社を出ていた。
お互いが知っていた、創作料理の美味しい居酒屋で待ち合わせ、飲み物と食べ物をささっと頼む。
男の人(イケメン)の前だけど、遠慮はしない。
だって『プライベート』だし、お腹すいたんだもん。色気より食い気だ。

私はチューハイ、三上さんは生ビール。
コツンとグラスを合わせて、一口目をゴクリ。
ぷはー、生き返る!

「ぷはー、生き返る!」

ネクタイを少し緩めた三上さんが言うものだから、また吹き出してしまった。

「何だよ?」
「いやぁ、私が思ったことをそのまま三上さんが言うから。」

ちょっとムッとしたような彼に、肩を揺らしながら答える。
三上さんも、ははっと笑った。

オトメとしてはどうかと思うが、遠慮なく飲み食いしながら、色々話す。
仕事のこと、趣味のこと。好きな本や映画。
三上さんは本当に話上手で聞き上手。会話が途切れることがない。
いい気分でお酒が進む。楽しいお酒だ。

「それにしても、いい飲みっぷりだね。都ちゃん。
そんなに飲む女の子、初めて見た。」

うふふ、誉められた。
そう思った時点で、かなり酔ってるな、とは思った。

まぁ、私相手に何かしようと思う人はいないだろうし、三上さんはイケメンだから、私とはどうなることもないだろうし。
油断しまくった私は、楽しいばかりに限界を越えてしまった。



それに気がつくのは、次の日の朝。
三上さんのベッドの上で目覚めた時だった──

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