甘い運命

1-43

「─誰が、好きじゃないって?」

「だって三上さん、槙原さんがいるじゃないですか!!」

ほとんど叫ぶように、私は言った。

「─やっぱりあれ、都だったんだ。」

三上さんは、溜め息とともに言った。
──あの時、三上さんも、私に気がついていたんだ……

「その事も話したかったから金曜日の夜からずっと電話やメッセージ送ってるのに、電源入ってないとか未読スルーとか。

俺がどんな気持ちだったかわかる?!」

怒っているような強い眼差し。切なそうな表情と声。

──意味がわからない。
泣きたいのは──泣いていたのはこっちだ。

そう思っているのが、表情に出てしまったのだろう。
三上さんは、また腕に力を込めて私の顔を胸に押し当て、ふう~、と長く息をはいた。

そして、意を決したように話し始めた。

「──都と連絡がつかなくなって、どれだけ俺たちが細い繋がりしか持っていないのか痛感した。

都が俺を切ろうと思ったら、本当にできてしまう。

──俺は、そんなのは、嫌なんだ。
いつも一緒にいるっていう、確証が欲しい。

都、頼むから、俺から離れないで。

都が好きなんだ。本当に、どうしようもなく、考えだしたら眠れなくなるくらい、都のことを愛してる。

ずっと一緒にいるって、約束して。……お願い。」

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