甘い運命
1-48
「ごめん、都を抱き締めてると、安心して……。
………眠い………。こんな時なのに……。」
そういえば、二晩寝てないって言ってたな。
ふふ、でも抱き締めて安心してくれるの、何だか嬉しい。
私はそのまま告げて、修一さんをベッドに導いた。
「都……大胆だね。望むところだけど。」
「何バカなこと言ってるんですか!
寝てないんでしょ、すぐ寝てください。二日分。
倒れちゃいますよ。」
「都が一緒に寝てくれないと、眠れない。」
「ハイハイ、一緒に寝ますから。……狭いけど、我慢してくださいよ?」
シングルベッドに、二人で寝転ぶ。
いつものように、抱き枕になる。
私をぎゅっと抱き締めて、修一さんは呟いた。
「狭い方がいい、くっついて……寝られ…る……」
すぅ。
あ、落ちた。
私はそっと修一さんの背中に手を回して、軽く抱き締めた。
私からの、初めての抱擁。
ふふ、修一さんは知らないの。
「ゆっくり寝てくださいね……」
呟いて、私も眠りに落ちた。
──その3時間後、合鍵を持っていた岬が部屋に入ってきて、私たちを見て絶叫するまで、私たちは抱き締めあって深く眠っていたのだった──