甘い運命
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そこにいたのは、槙原さんと、可愛い女性たち5人。
──うわ…睨まれてる……。
でも、もう目を伏せたりはしない。
何を言われても何をされても、もう修一さんを譲ったりしない。
その意思を込めて、六人の女性達を見返す。
数秒目線が合った後、槙原さんが、ふっと目線を逸らして、エントランスを出ていった。
他の女性達も、それに続く。
「───怖えぇぇ……。」
山崎くんが呟いたので、吹き出してしまった。
そのまま視線を修一さんに流すと、『よくやった』という風に微笑んでいた。
『頑張りました』と、私も微笑み返す。
──もう、この人は本当に、最高だ。
私のために、自分の会社でここまでしてくれた。
今度は、私の番。
私のすべきことは、自分を好きになって、自信を持って修一さんの隣に立つことだ。
そして、自分を信じて、修一さんを愛することだ。
私は指輪をつけた左手を右手で握り、そのまま胸に持っていく。
目を閉じて、深呼吸。
この指輪に誓う。
──私が、修一さんを、幸せにするんだ──
fin