甘い運命
1-7
契約開始から、4ヶ月経った。
抱き枕役は、うまく果たせているようだ。
何かするわけではないから、間違いようがないんだけど。
最初はほぼ毎週金曜日に、三上さんこと修一さんのところに泊まりに行っていた。
最初は抱き締められることにガチガチになっていた私も、回数を重ねる毎に慣れていった。
修一さんは、本当に抱き締めるだけ。
だから、すぐに安心して抱き枕になれていたのだと思う。
そんなこんなでひと月過ぎた頃から、土日で出掛けようという話になることが増えた。
ふた月過ぎる頃には、毎週土曜日も泊まることが当たり前のようになっていた。
さらに最近は、何だかんだと呼び出され、週の半分以上は泊まっている気がする。
ご飯を奢って貰うだけでいいはずなのに、レイトショーを観に行こうとか、夜景の綺麗なところがあるとか、フットサルの試合を見に来いだとか。
フットサルでは、チームメイトさんたちに私たちの関係を聞かれて、ちょっと困った。
マネージャー的な女性には睨まれた気がするし。
肝心の修一さんは、『想像に任せるよ』と意味深な台詞を吐いて、さっさとコートに行ってしまった。
こんな場面で放置とか、どうよ?!
あの女の人の視線が痛いよ!!
プリプリ怒りながら、ソッコーで『友達ですよ!』と断言しておいた。