じじぃのぼやき
「じじぃは
 楽しみが好きじゃ。
  
 じじぃになると、
 ワクワクしとる自分が
 また嬉しゅうて
 しょうがないんじゃ。

 楽しみは2倍じゃ。」


「昔の気持ちを、
 忘れんように
 生きてるつもりじゃ。

 自分も かつて、
 若者だったはずじゃ。

 分かり合えん
 はずはない。

 間にあるのは、
 単なる意地じゃ。

 そんなもん
 年寄りが捨てんと、
 若いもんが
 捨てれるかい。

 じじぃも
 めいっぱい意地で
 生きてきた。

 だから、

 捨てさすより
 捨てる方がええ。」


「人は、

 見えんもんで

 勝負せにゃ。」


「よかったのぅ。
 本当によかったのぅ。

 めでたい日じゃ。
 ほんに嬉しい日じゃ。

 おめでとう。

 ありがとう。」


「不思議じゃのう。

 どん底を
 経験した人間は

 いつか必ず
 人を助けようとする。

 その心の芽生えの

 美しいことよ。」


「人が死ぬと、

 その人が
 歩んできた道に
 
 慈しみという心が、
 とめどなく
 振るえるのぅ。」
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