じじぃのぼやき
「世の中にはの、
 自分のうっぷんを
 晴らさんが為に
 人をイジメる
 鬼もいるのぅ。

 負けるでないぞ。

 鬼の正体は、
 心が貧しく
 弱い子供じゃ。

 負けるなや。

 たとえ、
 束になったとて、
 
 ひとりの、
 ひとつの、
 強い真実には、
 とうてい
 勝たれんのじゃ。」


「徳の貯蓄をしてみぃ。
 金を貯めるより、
 難しいじゃろうがの。

 きっと金より
 役に立つもんじゃ。」


「じじぃは、やっと、
 酒の味がわかる
 お年頃に
 なりもうした。」


「じじぃは昔、
 太鼓たたきを
 やっとったのぅ。

 太鼓には、
 一打、一打、
 魂を込めるんじゃ。

 じじぃより、
 うまいやつが、
 ひとり、おったの。
 
 あいつには、
 とうとう、
 かなわんかった。」


「子供は、
 親を選んで
 産まれてくると言う。
 じじぃは
 本当の事じゃないかと
 思うとる。

 信じるかの?

 子供が、
 親を育てると言う。
 じじぃは
 本当のことじゃと
 思うとる。」
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