曇り、ときどき雨。君に、いつでも恋。
ちゃぽん。


湯船に浸かりながら、はあーっとあたしは大きなため息を1つついた。


頭に浮かんでくるのは、今井さんの顔。



明日、少し早く行って、オーダーの練習、しよ。




そんなにあたし、できてないかなあ?


これでもあたしは中学の時、吹奏楽部の部長やってて。
みんなをまとめたり、演奏会の予定たてたり色々してた。
先生にもほめられること多かったし、頼りにされることも多かった。
そのときとおんなじくらい、頑張ってるのに・・・。



他の高校生の人は、もっとあたしより仕事できてるのかな?


誰が高校生かイマイチよくわかんなかったけど、そんなに差はないと思うんだけど。





バイトすっごく楽しみにしてたのに・・・。

早速、やめたいとか思っちゃってるよあたし。

でもすぐやめたら迷惑かかるし・・・。

来年から、違うところでバイトしようかな。



明日も今井さん、いるかなあ。

明日は、なに注意されるんだろ。



うーん、とりあえずテキパキすれば大丈夫かな。
今井さんに1番言われてることは、"遅い。"
だよね。
よし、明日は超テキパキしよう!!!
これでたぶん、怒られる回数は減るはず!




・・・あー、あと、アイちゃんになんてウソつくか考えないとな・・・。



「月曜日は塾に通うからごめん!」
いや~、これはバレるな。


ん~~~~~~。難しい。



「月曜日はお母さんと行かないといけないところがあるから車で帰るの。」
・・・どこ行くの、って聞かれたら終わるよね。



お母さんと毎週行ってもおかしくないところ・・・。
そんなところあるかなあ。



ん?というかアイちゃんと一緒に帰ったこと、
あたし、あるっけ?

・・・ない。


アイちゃんはいつも部活行ってたから、あたしいつも1人で帰ってたじゃん。


帰る方面が違ったらめちゃくちゃラッキーだよね、これ。
よし、明日アイちゃんの最寄り聞いてみよ。

それからまた、考えればいっか。






ふと時計を見ると、けっこう時間が経ってて。

うわ、やば。のぼせそ。
少しクラクラする頭をおさえて、急いであたしはお風呂を出た。
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