曇り、ときどき雨。君に、いつでも恋。
「コハル、好きな人、とか、彼氏いたこと、ある?」
「え、あたし?
んー、、、ないよ。」
「ほんと!?
そっか。
あたしもそうだったんだけどね、
好きな人、人生で初めて、できちゃったかもしれない」
「・・・えーーーーーーーーーーー!!!」
「ちょっと、コハル声大きい」
「ご、ごめん」
顔を真っ赤にしてるアイちゃんはなんだかすごく可愛くて。
恋してる女の子って感じ。
「だれだれだれ!?」
「バスケ部の、隣のクラスの人、なんだけど。
田代くん、っていう人」
「へ、へえー、
ぜんっぜんわかんないけど、応援する!」
「ありがとうコハル~~~!
ほんとに感謝!!!」
「へへ、
で、
なんで好きになったの?」
「え、いきなりそれ聞いちゃう?
いきなりすぎない?
うーん、まあいっか、
えーと、
この前ね、欠席の部員が多くて、1年生が、男女混合で練習しようってことになったんだけど、
やっぱり、どうしても男子が男子のなかでパスとか回しちゃって、女子にはボールがあんまり回ってこなくって。
あ、女子はあたし含めて2人しかいなかったんだけど。
そのときに、田代くんは、あたしとかもう1人の女子にパスどんどん回してくれて。
それで、練習が終わったあと、あたしたちのところに来て、男子ばっかになってごめん、って言いに来たの。
すっごく優しい人だなって思って。
それから意識するようになって、田代くんのことよく見ちゃうようになったんだけど、
なんかほんとに優しいんだよね。
あ、でも、彼女いるかもしれないし、あたしなんか眼中にないと思うけど・・・」
田代くんのことを話すアイちゃんは、すごく柔らかい雰囲気を纏ってて、幸せそうで、あたしまで顔が綻んでしまうほど。
「いいじゃんいいじゃん!
連絡先は?交換した?」
「し、してないよ!
あたしそんなにグイグイいけるタイプじゃないんだよ、こう見えて。」
「だって
"は"、"つ"、"こ"、"い"、
だもんね!!!」
あたしがニヤっとするとアイちゃんがあたしの肩をガシッと掴んでぐらぐら揺らした。
「ちょっとーーーーーーー!!!!!!
コハルーーーーーーーーー!!!!!!!
楽しんでるでしょ!!!!!!!!!!!!
もー、
こっちはすっごい恥ずかしいんだからねっ!!!」
「ごめんって。
とりあえず、
連絡先だよ連絡先!」
「やっぱそうだよね~、どうやって聞こう・・・」
「普段は話したりしないの?」
「うん。基本的に話さないかな。」
「じゃあ、アイちゃんが話しかけるしかないよ!
頑張れ!」
「うわー、でもカノジョいるんじゃないかな。
あんなに優しかったらいる気がする・・・、
あーーー、コハル~~~、
うわーーーーー、
やっぱあたしムリかも、
どうしよ・・・」
「とりあえずそんなことは気にせず連絡先!ねっ?
明日までに聞いてくること!」
「は!?なにそれ!?
む、ムリムリムリムリムリムリムリムリ!!!」
首をぶんぶんと横にふるアイちゃん。
もう、可愛いんだから。
「はい決定~。
明日までに連絡先ね!
思いたったらすぐに行動しなきゃ!!
あ、昼休み終わっちゃう!
またあとで話し聞かせて!」
「コハル~~~っ
意外とコハル鬼!!!
でも頑張る!ありがとう!」