曇り、ときどき雨。君に、いつでも恋。
答案返却が終わったあと。
その日は下校が早かったから、
ホームルームの後にちょっとしたクラスの話し合いがあった。
内容は、体育祭委員の選出。
立候補を募ったけど、
誰も立候補しなかったみたいでくじ引きになった。
各クラス、男子1名、女子1名。
絶対、なりたくない。
だってあたし、運動すっごく苦手だもん!!
と思ってたのに、
「では、男子は中島くん、女子は佐藤さんに決まりました。ありがとうございました。では解散!!」
委員長の声で、みんなが帰り出した。
そんな中、あたしはひとりため息をついた。
もー、サイアク。
あたしに体育祭委員なんて、務まるかなあ。
アイちゃんがあたしの席まで来た。
「コハル、どんまい。」
「アイちゃん~~~~~~~~もうやだ~~~~~!
あたしに体育祭委員なんてムリだよ~~~~~~」
「まあ大丈夫だって。何かあったら手伝うしさ。
体育祭委員は、運動の得意不得意は関係ないと思うけど。」
そうかなあ。
でも、アイちゃんが手伝ってくれるのはすごく助かる!!
「アイちゃん~~~~~!頼りになる!!
ありがとっ!!!!!」
あたしはアイちゃんに抱きついた。
「いやいや、
コハルにはいつもお世話になってるからさ~。
こんなの、ちょっとのことだよ」
「ま、なんかあったら俺も助けるから」
後ろから中島くんも話しかけてきた。
「中島くん~~~~~!!!
ありがとう!!!
一緒の男子が中島くんで良かった!!!!!」
「中島っ。
あたしには冷たいのにコハルには優しいんだねっ」
ふんっとそっぽを向くアイちゃん。
んー、多分それは、
アイちゃんと中島くんがすごく仲良しだからじゃないかな。
「はあ~~~~~~~~?
あんだけ俺に田代のこと協力しといてもらってそういうこと言うわけ?」
「ま、まあ感謝してますよーだ」
そう言って、アイちゃんは悔しそうにした。
「じゃ、よろしくな。佐藤さん。」
「うん!ご迷惑おかけします・・・。」
「今から何いってんの。
大丈夫だって。
じゃあ、俺部活行くわ。また明日。」
じゃ、と片手をあげて中島くんは部活に向かった。
「あたしも部活行こうかな、またねー、コハル」
「うん、また明日!」
ふう。
アイちゃんと中島くんが協力してくれるみたいで、良かった・・・。
バイトまで時間あるし、どうしようかな。
いったん家に帰るのも面倒だし、カフェで時間潰そうかな。
あたしは、通学鞄をもって、教室を出て、いつもよりのんびり歩いた。
バイトはじめて、もう、3ヶ月経ったか。
早い・・。
このまま、バイト続けられそうだな。
あたしはこの3ヶ月を頭のなかでふりかえりながら、
照りつける太陽の下を歩き始めた。