曇り、ときどき雨。君に、いつでも恋。
「コハル~!おはよー!」
あたしが初日のバイトを終えた次の日。
いつものように、あたしが学校に着くとアイちゃんが笑顔であたしに駆け寄ってきた。
「おはよ、アイちゃん。昨日はごめんね?」
「ううん、大丈夫!
パンケーキのお店、あたし1人で行っちゃったし!!!
すっごく美味しかったんだからね!
今度ぜっったいコハルもつれてくから!!!」
「え~~~!いいなー!
そんなに美味しかったんだあ・・。
あたしも行ってみたい!楽しみにしてる!!」
「うん!
楽しみにしとけ~~!
あ、そうだ、コハル、部活は入らないの?」
「うん、特に入りたいのなかったし、いいかなって。」
ま、これはウソで。
バイトしたいから、入らないだけ。
「そっか~
中学のときは、なにかやってた?」
「うん、吹奏楽、やってた。一応ね。
あたしあんまりうまくないけど!」
「なんかそんな感じする!
コハルは文化部に入ってるイメージがある!」
「あ、ほんと~!?
あたし運動はほんっとに苦手なの。
だからそれ、当たってるね」
「そっか~
あ、先生来ちゃった、またあとでね、」
「うん」
こんな感じで平和な朝の時間をあたしは過ごす。
アイちゃん以外の人とはあんまりまだ話せてないけど、クラスの人みんな優しそうだし、ここの高校に入って良かったなってほんとに思う。
ふと頭によぎるのは、今井さんの顔。
あの、不機嫌そうな顔。
また今日も、いるのかな、今井さん。
あたしは週5日バイトだから、今日もバイトがあるんだけど・・・、どうか今井さんと被りませんよーに!!!
そう祈りながらノートと筆記用具を用意して授業の準備を始めた。