曇り、ときどき雨。君に、いつでも恋。



今日は、どこに行くかをおおざっぱに決めることになった。


班長は、じゃんけんで負けたアイちゃん。
ファイト。


「じゃあえっと、どこか行きたいところある人ー?」


しーーーーん。



「ここいきたいなっていうのがちょっとでもある人ー?」


しーーーーーーーん。


アイちゃんドンマイ。


「アイちゃんは?」


「あたしは、あるけど・・・。



えっと、みんな本当にないの?」




「・・・あー、どういうとこがあるかよくわかんねーから今日調べるから、明日でいい?」


えっと、たしかこの人は鈴鹿くん。


「俺もそっちの方が助かるわ。」


うんうん、と頷く男子勢。


「そ、そうだね、じゃあ明日にしようか。

・・・今日は解散で。」


アイちゃんの言葉でみんな納得した。


「おう。また明日。」


男子達が散っていってから、
アイちゃんが困ったようにあたしを見た。。

「コハルー、あたし大丈夫かな?」


「大丈夫大丈夫!良かったと思うよ、今。」


「ほんと?まあ、がんばる・・・・。」


「アイちゃんは、どこ行きたいの?」


「あたし!?


あたしはね、地主神社と下鴨神社と貴船神社!」


お、おう。けっこうあるね。


それも、金閣!とか清水寺!とかじゃないんだね。


「えっと、どうして?」


アイちゃんは満面の笑みで言った。


「縁結びの神社だから!!」

え、縁結び!?

どうしてまた・・・、、

きみはもう田代くんという愛しの彼氏様がいるではないか。


「え、なんで?」


「んー、コハルに彼氏ができるように!!」


あ、あたし!?

なにそれ、いやー、
うん、
アイちゃんには言ってないけど
いちおう、まだ、
叶わぬ恋をしているんだよあたしは。



「そ、そうなの?


あたしは別に彼氏ほしいとか思ってないし大丈夫だけど・・・。」


「えー、つまんない!!

まあいいの、とにかく行きたいの~!!」


「そ、そっか。わかった。」


もういいわ、ここまで来たら
今井さんとアシダさんの幸福でも祈ろ。

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