王子と私の恋愛事情。


"ガサガサッ"


「キャーっ何かいる!」


通りかかった公園のツツジが音を立てるからビックリしてしまう。


「うわ!ごめんなさい」


その勢いで嵯峨くんに抱きついてて再びビックリ。


私なにやってんの!?こんな奴にしがみついちゃうなんて…


「委員長大胆だな、こんな道のど真ん中で俺に抱きつくなんて。」

「ち、違う!音がしてそれで…怖くなって…つい…」

「つい抱きついたんだ?
莉奈乙女なとこあるんだな。大丈夫、猫かなんかだろ。」


あははって笑いながら私をなだめるように頭を撫でる。

俺様で時々弟みたいな嵯峨くんが初めてお兄ちゃんみたいな優しい表情を見せた。

そんな優しい嵯峨くんに胸がドクンと少し鳴った気がした。

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