王子と私の恋愛事情。


「で?付き合ってんの?」


いつもみたく真顔。


「そんなわけないじゃん!嵯峨くんが困ってたから助けてあげてるだけ。」

「ふーんそうなんだ。」


あ、ちょっといじけた。

昔からいじけると決まって口元が一瞬キュッとへの字になる。

晶は昔から感情をあまり表に出さない。

基本素っ気ない。

この性格もあって顔はイケメンでモテるのに女の子があまり寄り付かない。


「晶何いじけてんの?」

「……」

「仲良い私が取られちゃって不満なんだ?
………いてっ」


しつこくからかう私の頭にゲンコツを落とす。

その顔はさっきよりもへの字に曲がってる。


「莉奈、しつこい…」


それだけ言って机に突っ伏してしまう。


「莉奈が誰にでも親切なのは知ってる。
でもあんまり近づき過ぎない方がいいと思うよ。」


突っ伏したままそう言う。

私はその意味が理解できなかった。

別に不審者と話してるんじゃないし大丈夫でしょ。


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