王子と私の恋愛事情。


あぁ、最悪な展開だ…

晶と嵯峨くんを鉢合わせてしまった…


「は!?莉奈こいつ知り合い?」

「わ、私の幼なじみの晶…」

「ふん、お前莉奈の事好きなんだろ。
だから他の男に取られてヤキモチ妬いてんだ。」

「………っ……」


そう言われて私の体にわ回された晶の腕に力が入る。


「違うよ。でも許せない。」


常に無表情な晶が少し怒ったような口調になる。


「あっそ、仲良しこよし勝手にしてろ。莉奈俺帰るわ。」


嵯峨くんは晶を睨めつけるようにして階段を降りていった。


「ごめん。」


晶はボソッと一言謝ると私から離れる。


「ううん。大丈夫。
でも晶がムキになるなんて初めてだね。」

「……なんかムカついた。
今まで莉奈に近づくやつ居なかったから余計。」


グッサリと私の心にナイフが突き立てられる。


「そ、それモテないって遠回しで言ってるよね…?」

「事実だし…。」


あ、そうでございますか。


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