王子と私の恋愛事情。
「モテモテ女じゃなくて悪かったですね!」
ムキになって晶の胸に拳を立てる。
その手は晶に掴まれた。
「モテなくていい。」
「なんでそんな事言うのさ」
「なんか…今まで莉奈の周りに男子居なかったから安心してた。
けど男子と莉奈が一緒にいるの、なんか一気に不安になったし…ムカついた。
だからモテなくていい。」
晶は私から目を逸らして一気にそう話す。
やっぱり嵯峨くんの言った通りヤキモチ妬いてるんじゃ…
「それヤキモ……
「帰ろ。」
言いかけた私の言葉を遮って、私の手を掴んだまま体の向きを変える。
きっとヤキモチって信じたくないんだ。
だからさっきも嵯峨くんにムキになって…
なんか、晶変わっちゃったな〜
昔は泣き虫でいっつも私の後ろにいて、私が晶の事助けてあげてたのに。
今はしっかり者になってる。
前を歩く晶の背中を見つめながら思わずふふっと笑ってしまった。