王子と私の恋愛事情。
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「はい。できましたよ〜。
松井さんほんっとモデルさんみたいですね
別人みたい!」
そう言ってくるのは美容師の女の人。
なぜ美容院かって?
嵯峨くんに連れられるがままに着いてきた私は、キラキラしたキレイめの服が沢山あるお店に行き。
上から下までその店おすすめの服を嵯峨くんが買ってくれた。
それからメガネはコンタクトレンズに変えて、今は美容院で髪の毛をセットしてもらっていたから。
ここまでのお金を全部「大丈夫だから」って払ってくれた嵯峨くん。
一体嵯峨くんは何者。金持ちなの!?
目をつぶっていた私はゆっくりと目を開け、目の前の鏡を見た瞬間そんな疑問なんてどこか空の彼方へ飛んでった。
鏡の向こうに居るのはいつもの地味子じゃなくて、長い髪のゆるふわウェーブの女の子。
本人の私も一瞬目を疑う程。
「す、すごい。」
何度も何度も感心した。
生まれてからオシャレなんてしたこと無かったから、余計にオシャレってすごいって思えた。
「ですよね!イケメンな彼氏さんもきっと惚れ直しちゃいますよ!
早く見せてあげてください」
美容師の女の人にぽんぽんと肩を叩かれ、私は一瞬忘れかけた嵯峨くんの事を思い出す。