王子と私の恋愛事情。


「さ、嵯峨くん。どうかな」

「……っ!?…いいんじゃねぇの?」


入口付近のソファに腰掛けスマホをいじってた嵯峨くんは少しだけ私と目を合わせたかと思うとふいっと目を逸らしてお会計に行く。


「お会計___



あんなに素っ気なくしなくても。

嵯峨くんは学校1の王子でそれに比べて私はただの地味子。

休日2人で出かけるならそりゃ自分に釣り合うような女の子じゃないとダメそうだし。

私が変わったとこで別に嵯峨くんにとったらなんてこともない事なのかな。


「何ぼーっと突っ立ってんだよ。ほら行くぞ」


この手を繋ぐって事だって嵯峨くんにとったら慣れてることなのかも…


私の手を取って前を歩く嵯峨くんの事をつい考えちゃう。

大体私が仮の彼女に選ばれたのも俺にに興味なさそうだから…って言ってた。


「おーい、何落ち込んだ顔してんだよ。」

「別に。」

「別にって事ねぇだろ。」


嵯峨くんの声の調子が少し怒った口調になる。


「嵯峨くんに関係ないでしょ!?
どうせ、今日私を変えようと思ったのだって自分に釣り合う女にしたかったからじゃないの?」

「はぁ!?んだよその言い方。」

「もういい!」


そう言って腕を振りほどいてから怒ってる嵯峨くんに背中向けて走った。


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