王子と私の恋愛事情。
「忘れるわけねぇじゃん。
初めて莉奈見かけた時莉奈はここの砂場であいつと遊んでてさ、俺はここのブランコの所に居て…」
「えー私そんな事覚えてないよ?」
「当たり前だろ。俺が見てただけだし。
で、ちょっと間してから遊びに来たらそこのジャングルジムで遊んでた莉奈が落ちかけて、思わず走り出してた。」
ベンチに腰かけた嵯峨くんは目の前のジャングルジムのてっぺんくらいを指さしてそう言った。
「そこは覚えてる。
なーんか嵯峨くん私のストーカーっぽい。」
「その言い方はねぇだろ命の恩人に。」
「ふふふ。そうだね…ありがとう嵯峨くん」
「お、おう。」
照れくさそうに嵯峨くんはあたまをかく。