王子と私の恋愛事情。


それから私の目をしっかりと見つめて


「好きだ。俺と付き合ってほしい。」


短くそう言った。

前から嵯峨くんの気持ちは知ってたはずなのに今は全く違くて、苦しい訳でもないのに胸がキュッとなったのがわかる。


「………。」


嬉しくて胸が痛くて言葉が出ない。


「もしかして、違った?
俺すげぇはずいじゃん」


顔を赤らめた嵯峨くんは腕で顔を隠すように口に当てそっぽ向く。


「ち、違うの!こうゆう時なんて言っていいのか分からなくて…というか前に言われた時より嬉しくてドキドキしちゃって。」

「そういう事…よかったー……
え、待って、それって、オッケーて事?」


大きく肩を落とした嵯峨くんは少し挙動不審になりながら私の方に向きなおして私の両肩を掴む。

その勢いに思わずうんうんと首を大きく振ってしまった。

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