君の笑顔は眩しく、ときどきせつない
芳樹に別れを告げて、

俺は明日提出しなければならない課題をとりに教室へ戻った。

1年生の特別進学専攻の教室は芸術科の校舎に繋がる渡り廊下のすぐ横だ。

つまり、玄関からものすごく遠い。



(ながい。とおい。学校でかすぎるんだよ。)




独り言を言いながら俺は教室にたどり着いた。


課題を持って教室から出たとき、

芸術科のピアノ専攻特別教室から音が聞こえた。


俺の足は勝手に動いていった。



俺はもともと芸術が好きだ。
音楽も嫌いじゃないし絵だって暇ならずっと書いている。

だったら芸術科に入るべきだったんだろうけど
芸術科に入るほど自分に自信があったわけではない。

自分のペースで好きな絵を書けてればいいかなってまぁそんな感じだ。

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