君の笑顔は眩しく、ときどきせつない

兄がなにかで成功したら、俺も成功してなんとかバランスを保っていた。

だが、保てていたのは一瞬だけだった。

兄はどんどん大きくなっていた。

県選抜から地方選抜、そして高校を卒業する頃には全国選抜で世界を相手にするようになった。

俺は県選抜がやっとだった。

あんなに憧れていたヒーローだった兄は、
いつからか俺にとって憎らしい存在になった。

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