君の笑顔は眩しく、ときどきせつない
あたたかい手
「だっせーよ!ださすぎ!なにそれ!」
彼女の声ははっきりと俺に向かっているものだと分かった。
「お兄さんに憧れて始めて、
いつかお兄さんみたいになりたくて、
でもお兄さんの方がすごすぎて悔しくて?
そこまではいいよ。
人間ってそんなもんでしょ?」
彼女は息継ぎもせずに一息で話していた。
言いたいことを全てぶつけているようだった。
「だけどさ、それがどうして悠が物事に本気にならないことに繋がるの?わかんない。
私わかんない!」
「分かるわけないだろ!?」
俺は居てもたってもいられなくなり、
扉にかけていたはずの手を振り払っていた。
そして永澤と向き合っていた。
「分かってもらおうとしてないからでしょ?
言葉にしなきゃ伝わんないことだってあるよ。」
「言葉にしたところで誰が俺の気持ちを理解できる?」
「ほら。いつも自分が1番かわいそうって思ってるんでしょ。」
「は?、なにいってんだ。」
永澤のその言葉に時がとまったようだった。