君の笑顔は眩しく、ときどきせつない
どうして彼女は今、バイオリンを弾いてないのか。
どうしてサッカーをしているのか。
俺にはなにも考えられなかった。

俺はもう一枚ページをめくった。

「え…この人」

そのページには男の人が描かれていた。

どこかで見たことがあるような…

そしてもう1人思いだした。




三沼 巧(みぬま たく)。
あのリサイタルで俺の心に一番残った演奏は
永澤と三沼のデュエットだった。
あの二人は他のデュオとは違って
お互いの主張が激しくなかった。
世界でも通用するくらい彼らの演奏は完璧だった。





なのに、どうして。

三沼はどこに行ったのか。
永澤になにがあったのか。
謎は深まる一方だった。
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