君の笑顔は眩しく、ときどきせつない
*****

「おはよっ!」


永澤は今日も明るく挨拶をする。
昨日は一晩中永澤の過去について考えてみたが、
それっぽい答えはでなかった。



「おーーーい、聞こえてる?」

「あ、ごめん。なんだって?」

「高総体、私晴れてスタメンです!」

「さすがだな。おめでとう。」

「思ってないでしょ~」

永澤が1年生からスタメンに、
起用されることはサッカー部全員が分かっていたことだ。
おれはそれよりもただどうしてあんなにも素晴らしい演奏家が
今、砂まみれになりながらサッカーをしているのかが知りたいのだ。
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