君の笑顔は眩しく、ときどきせつない
なぜかわからないが俺は永澤を追いかけていた。
彼女は階段をかけあがり、
屋上の扉を開けた。
そこには先生たちとその子の姿があった。
永澤は先生たちをかきわけてその子と向かい合った。



「来ないで!!」



永澤に向かってその子は言った。
彼女は手を離せばそのまま落ちてしまう。
落ちたら終わりだ。彼女は確実に死ぬ。



「君名前は?」

「え??」
永澤は急に名前を聞き出した。


「みなと、中田みなと。」


「みなと、君は間違ってる。死んでもなにも残らない。」

永澤はいつもの明るく元気な声ではなくただ静かに、でも優しい声で彼女に話しかけた。
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