君の笑顔は眩しく、ときどきせつない
「自分のせいで演奏がうまくいかなかったと思うなら生きるべきだ。死んだらそこで終わりだ。ペアになにも残せないで終わる。逃げてるだけだ。」


永澤は、いや、俺からは永澤の背中しか見えないがきっと永澤は彼女を真っ直ぐ見て言っている。


「自分の失敗から目を背けたいだけだ。どれだけたくさんの人が応援してきたと思う?ペアの子がどんな思いでみなとと演奏をしてきたと思う?みなとはそれを台無しにしたんだ。その事実は誰にも変えられない。」


「ピアノしかなかった、それ以外なにもできない!わたしにはピアノしかなかったの!なのに、それすらできなくなった。ピアノもいきるのももうやめてやる!」



みなとは向きをかえて飛び降りようとした。
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