君の笑顔は眩しく、ときどきせつない

「屋上で話したことは全部ほんとのこと。」

「でもね、ひとつだけ嘘をついた。」

「私はペアを殺したの。」

あり得ないと思ってしまった。
あのときの彼女は、優しい声をしていた。
嘘じゃないという証拠はないが、
彼女の心の声だと確信したのだ。

「わたしのミスなのは間違いない。でも、プレッシャーをかけて精神状態がおかしくなっちゃったのよ?わたし。」

「プレッシャーをかけてたのはペアの子だった。許せなかった。それでわたしのせいだと彼は言い張った。私はなにも言えなかった。」

聞きたくなかった。

めんどうなことに巻き込まれてしまったと、
きっと今までの俺なら思うだろう。

だが俺はそんな感情より、
屋上での言葉に嘘があったことが、

苦しかったのだ。
< 82 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop