君の笑顔は眩しく、ときどきせつない
「まったく、冗談よ。降参。」
彼女は緊張が溶けたように、
そして安心したように、
いつもよりも少し柔らかく微笑んだ。
「でも、忘れないで。」
斜め前を歩く彼女はふと振り返った。
「人の印象も経歴もたった一言で裏返るくらい軽いものなの。今みたいに。」
今まで明るくて元気な少女というイメージから、
「人殺しなの。」
という虚偽の告白によって一瞬でも彼女は
僕の中で殺人犯になったのだ。