君の笑顔は眩しく、ときどきせつない

「ここまで来ればもう誰も来ねぇだろ。」

芳樹に手を引かれ、夢中で逃げ回り、
最終的にC館の屋上まで来てしまった。

「大丈夫か、永澤。」

「平気よ。いい朝練になった!」

「だな!!」

「それより。」

彼女の足音が近づいてくる。
そして目の前まで来て彼女は言った。

「さ、どーゆーことか説明してもらおうか。」

まるで探偵気取りだ。

でも俺は自分のことを話すのが苦手なのだ。

なぜかははっきり言えないが、
自分のことを話すのは、
弱みを相手に見せるようで俺にとって
恥ずかしいことなのだ。
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