男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
今日もミシェルはクロードの寝室を掃除していた。

窓際のテーブルの上にあるのはクロードの日記帳。今日は閉じられている。


(陛下がミシェルのことをなんて書いたのか気になる……)
 

しかし、見ることなんて絶対に出来ない。
 
ミシェルは雑念を払い、テーブルの上を丁寧に拭いた。そこへアベルが寝室の入り口に顔をひょっこり出す。


「フランツ、もうすぐ陛下のご昼食の時間になる。今日は東屋で召し上がられるとのことだ」

「はい! すぐに行きます!」
 

ミシェルは四柱式のカーテンが留められた少し曲がっているリボンを直し、アベルの元へ行った。




料理長やアベルと共に料理を東屋のテーブルに用意する。今日は誰かとの昼食ではなく、陛下の分しかない。


(お天気もいいし、ずっと執務室ばかりでは身体に毒だものね)
 

並べられた料理に不備はないか、ミシェルは確認する。そこへ衛兵を連れたクロードが姿を現した。
 
茶色のジュストコールに白いモスリンのクラヴァット姿で颯爽とやってきたクロードにミシェルの胸が高鳴る。
 
外で会っていたせいで、陛下ではなく伯爵の子息と偽っているクロードのように親しみを覚えてしまう。
 
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