男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「き、聞こえて――」

「もちろんだ」

「へ、陛下、申し上げてもよろしいでしょうか……?」


無礼を承知でミシェルは話そうと尋ねる。


「ああ。なんだ?」
 

クロードはベッドの上に身体を起こし、薄布の布団の中で片膝を立てて気だるげにミシェルを見つめる。


「あ、あの……お身体のどこか具合でも悪いのでしょうか……? 以前は早くにお目覚めになられていたのに……」

「これが本当の私だ。お前は抱き心地がいい」


そう言われて、ミシェルは度肝を抜かれる。


(もしかして……陛下は男が好きなの……?)
 

ミシェルは知らなくていい秘密をみてしまい、あわあわと困惑する。


「薬など不要だ。お前が毎日起こしに来るんだ。わかったな」

「わ、わかりました」
 

ミシェルは当惑しながら返事をするしかなかった。


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