男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
バラの品種によっては良い香りを放たないものもある。だが、ここに植えられているものはすべてがうっとりするような香りを持っているようにミシェルは感じた。
バラ園に入った瞬間から、甘い香りと共にどこか果物の香りも漂ってくる。
ミシェルは大きく息を吸って、その香りを胸いっぱい吸い込む。
(ずっと居られそうなくらい素敵な場所)
バラ園の中央には白いテーブルとイスが置かれており、アベルによれば時々ここでクロードはお茶を楽しむそうだ。
(その機会があり付き添えればいいな)
ミシェルはそんなことを考えながら居間のテーブルに飾るバラを探す。
「あ! これ……」
ミシェルは背丈ほどの濃いピンク色のバラへ鼻を近づけクンと匂いを嗅ぐ。
「いい香り!」
ミシェルはこのバラと白いバラの二種類を飾ることに決めた。色々な色を混ぜてごちゃごちゃした感じよりもシンプルなほうがクロードの好みに思えたからだ。
濃いピンク色のバラの茎に手を伸ばした。棘に気をつけながらハサミで切っていく。
「珍しい髪色をしている男だな」
すぐ後ろで声がした。
知っている男性の声ではない、威圧的な物言いにミシェルは驚き、ビクッと肩を跳ねさせた拍子に棘が人差し指に刺さる。
バラ園に入った瞬間から、甘い香りと共にどこか果物の香りも漂ってくる。
ミシェルは大きく息を吸って、その香りを胸いっぱい吸い込む。
(ずっと居られそうなくらい素敵な場所)
バラ園の中央には白いテーブルとイスが置かれており、アベルによれば時々ここでクロードはお茶を楽しむそうだ。
(その機会があり付き添えればいいな)
ミシェルはそんなことを考えながら居間のテーブルに飾るバラを探す。
「あ! これ……」
ミシェルは背丈ほどの濃いピンク色のバラへ鼻を近づけクンと匂いを嗅ぐ。
「いい香り!」
ミシェルはこのバラと白いバラの二種類を飾ることに決めた。色々な色を混ぜてごちゃごちゃした感じよりもシンプルなほうがクロードの好みに思えたからだ。
濃いピンク色のバラの茎に手を伸ばした。棘に気をつけながらハサミで切っていく。
「珍しい髪色をしている男だな」
すぐ後ろで声がした。
知っている男性の声ではない、威圧的な物言いにミシェルは驚き、ビクッと肩を跳ねさせた拍子に棘が人差し指に刺さる。