男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
ミシェルは痛みに息を呑み、振り返る。すると先日東屋にやって来た男性、クロードの義兄パスカルが大きな帽子をかぶった女性の腰に手を置き立っていた。
あの女性だった。
ふたりはとても親密そうである。
赤が好きなのだろうか、前回と似たような赤いジュストコールを着たパスカルと目が合い、ミシェルは慌てて深くお辞儀をする。
「その服は侍従だな?」
顔を下げたままで「はい。国王陛下の侍従見習いでございます」とミシェルは言った。
「顔を上げろ」
横柄に許可され、ミシェルは頭を戻した。ミシェルの顔を見たパスカルの表情が驚いたように変わる。
「ずいぶん女っぽい侍従見習いだな」
顔を信じられないくらい近づけられ、ミシェルは咲き誇るバラに倒れそうになった。
「あっ!」
足元がふらついたミシェルの手首をパスカルが掴む。そのおかげでバラの中へしりもちをつくことは免れた。
「……ありがとうございます」
「お前、手首も女みたいに細いんだな」
なにかを探るような視線にミシェルは心臓が縮み上がる。
あの女性だった。
ふたりはとても親密そうである。
赤が好きなのだろうか、前回と似たような赤いジュストコールを着たパスカルと目が合い、ミシェルは慌てて深くお辞儀をする。
「その服は侍従だな?」
顔を下げたままで「はい。国王陛下の侍従見習いでございます」とミシェルは言った。
「顔を上げろ」
横柄に許可され、ミシェルは頭を戻した。ミシェルの顔を見たパスカルの表情が驚いたように変わる。
「ずいぶん女っぽい侍従見習いだな」
顔を信じられないくらい近づけられ、ミシェルは咲き誇るバラに倒れそうになった。
「あっ!」
足元がふらついたミシェルの手首をパスカルが掴む。そのおかげでバラの中へしりもちをつくことは免れた。
「……ありがとうございます」
「お前、手首も女みたいに細いんだな」
なにかを探るような視線にミシェルは心臓が縮み上がる。