男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
(びっくりした……それにしてもあの探るような目つきは気になる……)
そこで左手の指がジンジンと痛むことに気づく。指を見て、ミシェルは「あっ!」と声を上げる。
人差し指から血が流れ少し腫れていた。
摘んだバラが入った籠を地面に置いて、ポケットからハンカチを出して血を拭う。
指先のせいか、ズキズキ痛んでいる。
(早く白バラも摘んで帰ろう)
奥へ向かったパスカルが戻って来る前に。
ミシェルは近くに咲いている白バラの苗木へ行き、棘に触れないよう慎重に切った。
バラ園から戻り、棘を丁寧に取りながら花を生け終わって手を見る。両手にいくつもの傷がついていた。
もともと家では家事もこなしており、白魚のような手とは程遠いが傷だらけの手を人前に出すのは恥ずかしい。
特にクロードにはみっともなくて見られたくない。
「フランツ、綺麗に生けられたね。色味も香りも素晴らしい」
替えのカーテンを抱えたアベルが立ち止り、美しく仕上がった花を見て満足そうだ。
「これで大丈夫でしょうか」
ミシェルは不安げな表情になる。
そこで左手の指がジンジンと痛むことに気づく。指を見て、ミシェルは「あっ!」と声を上げる。
人差し指から血が流れ少し腫れていた。
摘んだバラが入った籠を地面に置いて、ポケットからハンカチを出して血を拭う。
指先のせいか、ズキズキ痛んでいる。
(早く白バラも摘んで帰ろう)
奥へ向かったパスカルが戻って来る前に。
ミシェルは近くに咲いている白バラの苗木へ行き、棘に触れないよう慎重に切った。
バラ園から戻り、棘を丁寧に取りながら花を生け終わって手を見る。両手にいくつもの傷がついていた。
もともと家では家事もこなしており、白魚のような手とは程遠いが傷だらけの手を人前に出すのは恥ずかしい。
特にクロードにはみっともなくて見られたくない。
「フランツ、綺麗に生けられたね。色味も香りも素晴らしい」
替えのカーテンを抱えたアベルが立ち止り、美しく仕上がった花を見て満足そうだ。
「これで大丈夫でしょうか」
ミシェルは不安げな表情になる。