男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
翌日の夕方、政務を終わらせたクロードは私室へ戻った。入室すると、アベルとミシェルがいつものように畏まったさまで待っていた。
「陛下、お風呂になさいますか?」
「いや、気分転換がしたい。風呂の前にバラ園でワインを」
クロードはいつになく疲れたような表情をしている。
「かしこまりました。すぐにお持ちいたします」
アベルが部屋を出て行く。ミシェルも後を追おうとするが、クロードに名前を呼ばれる。
「フランツ、お前は私に付き添え」
「はい」
ミシェルはきびきびした態度で扉を開き、クロードを通して後を追う。もちろん衛兵ふたりも付いてくる。
陽が落ちるまで後一時間ほどだ。そよそよと吹く風が気持ちいい。
再びバラ園に来られことで、ミシェルは顔を緩ませ、クロードの数歩後ろを歩いていた。
バラ園の扉に到着し、クロードが立ち止る。扉などを開けるのは侍従や衛兵が開けることになっている。
ミシェルは素早く扉へ近づいたが、首を傾げる。
バラ園の扉が大きく開いていたのだ。鍵はかけられておらず、誰でも入れるようにはなっていたが、国王のお気に入りの場所だと知られており、そこを訪れる者は今までいなかった。
「陛下、お風呂になさいますか?」
「いや、気分転換がしたい。風呂の前にバラ園でワインを」
クロードはいつになく疲れたような表情をしている。
「かしこまりました。すぐにお持ちいたします」
アベルが部屋を出て行く。ミシェルも後を追おうとするが、クロードに名前を呼ばれる。
「フランツ、お前は私に付き添え」
「はい」
ミシェルはきびきびした態度で扉を開き、クロードを通して後を追う。もちろん衛兵ふたりも付いてくる。
陽が落ちるまで後一時間ほどだ。そよそよと吹く風が気持ちいい。
再びバラ園に来られことで、ミシェルは顔を緩ませ、クロードの数歩後ろを歩いていた。
バラ園の扉に到着し、クロードが立ち止る。扉などを開けるのは侍従や衛兵が開けることになっている。
ミシェルは素早く扉へ近づいたが、首を傾げる。
バラ園の扉が大きく開いていたのだ。鍵はかけられておらず、誰でも入れるようにはなっていたが、国王のお気に入りの場所だと知られており、そこを訪れる者は今までいなかった。