男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
(陛下はお怒りではないの……?)
クロードは執務机の引き出しから髪飾りを手にしてミシェルの隣へ行った。そしてミシェルの膝の上に髪飾りを置く。
その髪飾りにミシェルの目が大きく見開かれた。
「これは……川で失くした……陛下っ、どうして……?」
ミシェルは髪飾りを宝物のように持って、クロードに首を傾げる。
「お前がマーサの店から消えたあと、ヴァ―ノンらを招集して探させたのだ。あの時、侍従見習いのフランツがミシェルと同一人物だと知った」
「陛下……」
(知っていて、侍従見習いをさせていたって、どういうこと……?)
クロードの考えがわからず、ミシェルは空色の瞳で見つめていた。そこへ扉が叩かれ、アベルが入室しお茶を置いて出て行った。
「あとで見ていた町人がその髪飾りが川に落ちた経緯を聞いた。貴族の女が投げ捨てたと」
「……私が馬車に飛び出してしまったせいなんです。それに……こんなに高価な髪飾りは私に相応しくありませんでした」
ミシェルはクロードにそっと髪飾りを差し出す。
クロードは執務机の引き出しから髪飾りを手にしてミシェルの隣へ行った。そしてミシェルの膝の上に髪飾りを置く。
その髪飾りにミシェルの目が大きく見開かれた。
「これは……川で失くした……陛下っ、どうして……?」
ミシェルは髪飾りを宝物のように持って、クロードに首を傾げる。
「お前がマーサの店から消えたあと、ヴァ―ノンらを招集して探させたのだ。あの時、侍従見習いのフランツがミシェルと同一人物だと知った」
「陛下……」
(知っていて、侍従見習いをさせていたって、どういうこと……?)
クロードの考えがわからず、ミシェルは空色の瞳で見つめていた。そこへ扉が叩かれ、アベルが入室しお茶を置いて出て行った。
「あとで見ていた町人がその髪飾りが川に落ちた経緯を聞いた。貴族の女が投げ捨てたと」
「……私が馬車に飛び出してしまったせいなんです。それに……こんなに高価な髪飾りは私に相応しくありませんでした」
ミシェルはクロードにそっと髪飾りを差し出す。