男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「フランツが、いえ、ミシェルが酷い熱でございます」
「なんだと!?」
クロードはブーツの踵を響かせて、南棟へ入った先の螺旋階段を駆け上がった。
ミシェルの部屋へ入ったクロードは立っているベアトリスには目もくれずベッドへ大股で近づく。
愛しい娘は苦しそうに眠っていた。
「アベル侍従が食事を持ってきた時にはこういう状態でした。熱は高いですが、ニ、三日で下がるかと思われます」
「首を絞められたのが原因ではないのだな?」
「心労がたったのかと……」
「この華奢な身体でいろいろ耐えていたのだろう。しっかり看病を頼む」
クロードはミシェルに近づき、頬に手を滑らせる。
「早くよくなれ。ミシェル」
それから額の熱を手のひらで確かめたクロードは部屋を出て行った。
まだ外が暗い早朝に目を覚ましたクロードは着替えを済ませミシェルの部屋へ向かう。一晩中心配でよく眠れなかったクロードだ。
廊下はまだ厚いカーテンが閉じられ、ランプが灯されている。明るくなるのはあと一時間くらいだ。まだアベルも眠っている時刻である。
あまりにも早い時間に姿を見せた国王に王城を守る衛兵らは驚きを隠せない。
「なんだと!?」
クロードはブーツの踵を響かせて、南棟へ入った先の螺旋階段を駆け上がった。
ミシェルの部屋へ入ったクロードは立っているベアトリスには目もくれずベッドへ大股で近づく。
愛しい娘は苦しそうに眠っていた。
「アベル侍従が食事を持ってきた時にはこういう状態でした。熱は高いですが、ニ、三日で下がるかと思われます」
「首を絞められたのが原因ではないのだな?」
「心労がたったのかと……」
「この華奢な身体でいろいろ耐えていたのだろう。しっかり看病を頼む」
クロードはミシェルに近づき、頬に手を滑らせる。
「早くよくなれ。ミシェル」
それから額の熱を手のひらで確かめたクロードは部屋を出て行った。
まだ外が暗い早朝に目を覚ましたクロードは着替えを済ませミシェルの部屋へ向かう。一晩中心配でよく眠れなかったクロードだ。
廊下はまだ厚いカーテンが閉じられ、ランプが灯されている。明るくなるのはあと一時間くらいだ。まだアベルも眠っている時刻である。
あまりにも早い時間に姿を見せた国王に王城を守る衛兵らは驚きを隠せない。