男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「先ほどまでベアトリスがいた。まだ夜明け前だ。私が見守っているからその大きな目を閉じて眠れ」
クロードは上体を横にし、ミシェルの首の下に腕を差し入れ抱き寄せた。
(う、腕枕っ? これが、腕枕……?)
ミシェルは異性がどうやって愛情表現をするのか、マーサから聞いたことがあった。
まだ彼女が恋を知らない時のことだ。母親にはそんなことは聞けなかった。
なぜそんな話になったというと、ミシェルは美少女だからいつか上流貴族に見初められるかもしれないと言ったことからだ。
その時、ミシェルは好きになった人ではなければ上流貴族でも結婚はしないと言い切った。
自分が好きになり、相手も愛情をたっぷり注いでくれる人が理想だった。
形ばかりの夫婦では嫌だった。
上流貴族同士の婚姻では愛情がない事も多いとマーサは教えてくれた。ただ、村娘の自分を好きになってくれる男性がいるわけないと、その時は笑っていたミシェルだった。
隣で腕枕をしてくれる人は上流貴族どころか、この国の国王陛下だ。
ミシェルは今だけこのあり得ない幸せを心に留めておこうと思った。
まるで小さい頃に読んだおとぎ話のようだった。
(でも私はお姫さまじゃない……)
クロードは上体を横にし、ミシェルの首の下に腕を差し入れ抱き寄せた。
(う、腕枕っ? これが、腕枕……?)
ミシェルは異性がどうやって愛情表現をするのか、マーサから聞いたことがあった。
まだ彼女が恋を知らない時のことだ。母親にはそんなことは聞けなかった。
なぜそんな話になったというと、ミシェルは美少女だからいつか上流貴族に見初められるかもしれないと言ったことからだ。
その時、ミシェルは好きになった人ではなければ上流貴族でも結婚はしないと言い切った。
自分が好きになり、相手も愛情をたっぷり注いでくれる人が理想だった。
形ばかりの夫婦では嫌だった。
上流貴族同士の婚姻では愛情がない事も多いとマーサは教えてくれた。ただ、村娘の自分を好きになってくれる男性がいるわけないと、その時は笑っていたミシェルだった。
隣で腕枕をしてくれる人は上流貴族どころか、この国の国王陛下だ。
ミシェルは今だけこのあり得ない幸せを心に留めておこうと思った。
まるで小さい頃に読んだおとぎ話のようだった。
(でも私はお姫さまじゃない……)