男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
第五章　身分の差に悩める乙女
貴族でもない娘が妃になる前例はない。

しかし長年ブロンダン家が貴族しか許されない侍従として王室に仕えた功績で、ミシェルは妃になることが議会で許された。
　
そしてロドルフ・ブロンダンは伯爵の爵位を授けられることになった。
　
寒くなる半年後までに結婚式を挙げる予定で、それまでにミシェルは妃としての勉強をする。
　
いまだにミシェルは自分がクロードの妻になるとは信じがたいことだった。
　
談話室のソファでクロードから話を聞いたミシェルは目をまん丸くして驚く。


「おじいちゃんが伯爵に!?」
　
隣に座るクロードの指はミシェルのシルバーブロンドの髪を弄んでいる。


「ああ。ブロンダン家は代々王室に仕えてくれていた。爵位を授けるのが遅いくらいだ」
　

ミシェルは少し複雑な思いだ。自分がただの村娘だから、国王には相応しくないのだろう。それならばと、爵位を授けられ、相応しい身分で嫁ぐことは自分の生い立ちを否定された気分だった。

クロードのせいではない。ミシェルが国王に嫁ぐ条件に合っていなかったからだ。


「伯爵家に相応しい屋敷も建てる予定だ」
　

クロードは見つめたまま、指で絡めとったシルバーブロンドの髪のひと房に口づける。


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