男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「いえ、まだかと。本日はブラッサンス公爵邸で開かれている夜会へ。あっ」
そう言ってしまってから、アベルは気まずそうな顔になった。
「ブラッサンス公爵邸……イヴォンヌさまのお屋敷……」
「陛下はブラッサンス公爵に話があるとかで。なに、政務のことですよ」
ミシェルはにっこり頷く。
「はい。政務のことだけではなく、夜会もお楽しみなられるといいのですが。最近のクロードさま、お忙しすぎますもの」
「お茶のお代りはいかがですか?」
「いいえ。もうけっこうです」
ミシェルは首を左右に振って微笑む。
「それでは失礼させていただきます」
アベルは頭を下げて退出した。
扉が閉まり、ミシェルの口から小さなため息が漏れる。
(イヴォンヌさまは夜会があることをなにも言っていなかったな……)
「いけないっ! 早くやらなきゃ」
ミシェルは明日の午前中に約束しているクレマン夫人との約束のために刺繍に集中した。
そう言ってしまってから、アベルは気まずそうな顔になった。
「ブラッサンス公爵邸……イヴォンヌさまのお屋敷……」
「陛下はブラッサンス公爵に話があるとかで。なに、政務のことですよ」
ミシェルはにっこり頷く。
「はい。政務のことだけではなく、夜会もお楽しみなられるといいのですが。最近のクロードさま、お忙しすぎますもの」
「お茶のお代りはいかがですか?」
「いいえ。もうけっこうです」
ミシェルは首を左右に振って微笑む。
「それでは失礼させていただきます」
アベルは頭を下げて退出した。
扉が閉まり、ミシェルの口から小さなため息が漏れる。
(イヴォンヌさまは夜会があることをなにも言っていなかったな……)
「いけないっ! 早くやらなきゃ」
ミシェルは明日の午前中に約束しているクレマン夫人との約束のために刺繍に集中した。