男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「ミシェル、順調か?」
 

優しい眼差しをミシェルに向けるクロードだ。


「はい。楽しくレッスンを受けていました」
 

クロードがミシェルの隣の席に座ると、シャプリエ公爵夫人とイヴォンヌも腰を下ろした。


「ミシェルも座りなさい。それとも私の膝の上に来るか?」
 

手を差し出され、ミシェルは目を丸くしてビックリする。


「い、いいえ……」

「まあ、陛下はとてもミシェルさまに甘くていらっしゃりますのね」
 

シャプリエ公爵夫人が上品に微笑む。


「そうだわ。ミシェルさま、陛下に夜会へ行きたいとおねだりされたらいかがでしょう?」
 

そんなつもりがなかったミシェルは言葉に詰まる。


「夜会? ミシェル、夜会へ行きたいのか?」
 
少し驚いた表情になったクロードはミシェルに尋ねる。ミシェルは返事に困った。

どういうものなのか興味はあるが、マナーもダンスも満足に出来ない自分が行って楽しめるとは思えない。




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