男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「ね、寝ます」
 

ミシェルは布団に包まるようにして目を閉じた。


「少ししたら昼食を持ってくる。たくさん食べさせろと仰せだからな。今は休みなさい」

「ありがとうございます……」


アベルは出て行き扉が閉まると、ミシェルは身体をガバッと起こした。


「どうしよう……本当にバレていない……?」


自分の体重では十八歳の男にしてはかなり軽いだろう。フランツだって十キロは重い。
 
早く胸を楽にしたかったが、もし誰かが入ってきたら……と思うと出来なかった。


「少しだけ眠ろう……」
 

体力を消耗した分を早く回復しなければと、ミシェルはベッドに横になった。


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