男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
ロドルフは意を決したように孫娘ミシェルを見る。
「ミシェル、フランツの代わりに今日からお前は王城へ行き、侍従見習いとして働きなさい」
「ええっ!?」
ミシェルはあ然となって、ピンク色の唇をポカンと開けた。
「お父さん、侍従見習いって? 男であることが条件でしょう? ミシェルは女の子よ?」
マリアンヌも突然訳のわからないことを言う父親に驚きの表情を隠せない。
「そうだ。ミシェルとフランツは一卵性だけあってよく似ている。フランツのフリをして一ヵ月間働くんだ」
「フランツのフリって、男装してってことっ? おじいちゃん、そんなっ! 無理よ!」
男装するところを思い浮かべ、ミシェルはブルッと身体を震わせる。
「お父さん、どうしてそんな無茶をしなくてはならないの?」
あと一ヵ月でロドルフは仕事を辞めることになっていた。そしてその時にはミシェルの住む家がある土地を国王から譲り受けられることになっていた。
過去百年間、ブロンダン家が王室に奉公した褒美である。
「私のこの怪我は自分の不注意で階段を踏み外したからだ。仕事が出来ないとなれば給金はもらえず、この土地も離れなくてはならない。ここは王室の領地だからな」
ロドルフは至極悔しそうな顔になる。
「ミシェル、フランツの代わりに今日からお前は王城へ行き、侍従見習いとして働きなさい」
「ええっ!?」
ミシェルはあ然となって、ピンク色の唇をポカンと開けた。
「お父さん、侍従見習いって? 男であることが条件でしょう? ミシェルは女の子よ?」
マリアンヌも突然訳のわからないことを言う父親に驚きの表情を隠せない。
「そうだ。ミシェルとフランツは一卵性だけあってよく似ている。フランツのフリをして一ヵ月間働くんだ」
「フランツのフリって、男装してってことっ? おじいちゃん、そんなっ! 無理よ!」
男装するところを思い浮かべ、ミシェルはブルッと身体を震わせる。
「お父さん、どうしてそんな無茶をしなくてはならないの?」
あと一ヵ月でロドルフは仕事を辞めることになっていた。そしてその時にはミシェルの住む家がある土地を国王から譲り受けられることになっていた。
過去百年間、ブロンダン家が王室に奉公した褒美である。
「私のこの怪我は自分の不注意で階段を踏み外したからだ。仕事が出来ないとなれば給金はもらえず、この土地も離れなくてはならない。ここは王室の領地だからな」
ロドルフは至極悔しそうな顔になる。