男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
着替えが終わり鏡の前に立ち、上着より少し濃いリボンを後ろでひとつに結ぶ。
思ったより男の子に見える自分にミシェルは満足する。
「後は……荷物ね」
トランクにフランツの部屋から取ってきたシャツとズボン、もうひとつの似たようなリボン、下着などを入れる。
それから町へ行く時にシルバーブロンドが目立たないようにつける茶色いかつらと女の子の服も一式荷物の中へ放り込む。
一ヵ月あれば町へ出かけられるのではないかと思ったのだ。
「なんといっても、そんなに長くないんだから」
王城へ行き、国王に会うことを思うと、心配でドキドキする。きっと近くに行くだけで足が震えるだろう。
でもみんなのために、やり遂げなくてはならない。
支度を終えたミシェルはトランクを持って、祖父と母親の待つ居間へ行く。
マリアンヌは落ち着かない様子で立っており、ミシェルの姿にホッと肩を撫で下ろす。
「やっぱり双子だな。フランツと似ている。これだったら大丈夫だ! マリー、案ずることはないぞ」
ロドルフは満足げに頷き、ソファに置いたハットを手にして頭にのせて立ち上がる。
「マリー、私は夕方帰ってくる。美味しい夕食を頼むぞ」
夕食と言われて、まだ朝食も食べていないことに気づいたミシェルだが、松葉杖をつきながら玄関に向かっていく祖父の後に続いた。
思ったより男の子に見える自分にミシェルは満足する。
「後は……荷物ね」
トランクにフランツの部屋から取ってきたシャツとズボン、もうひとつの似たようなリボン、下着などを入れる。
それから町へ行く時にシルバーブロンドが目立たないようにつける茶色いかつらと女の子の服も一式荷物の中へ放り込む。
一ヵ月あれば町へ出かけられるのではないかと思ったのだ。
「なんといっても、そんなに長くないんだから」
王城へ行き、国王に会うことを思うと、心配でドキドキする。きっと近くに行くだけで足が震えるだろう。
でもみんなのために、やり遂げなくてはならない。
支度を終えたミシェルはトランクを持って、祖父と母親の待つ居間へ行く。
マリアンヌは落ち着かない様子で立っており、ミシェルの姿にホッと肩を撫で下ろす。
「やっぱり双子だな。フランツと似ている。これだったら大丈夫だ! マリー、案ずることはないぞ」
ロドルフは満足げに頷き、ソファに置いたハットを手にして頭にのせて立ち上がる。
「マリー、私は夕方帰ってくる。美味しい夕食を頼むぞ」
夕食と言われて、まだ朝食も食べていないことに気づいたミシェルだが、松葉杖をつきながら玄関に向かっていく祖父の後に続いた。