一番、伝えたかったこと
手紙を見つけたのは、彼女が旅立ってから、もう一年も経った頃だった。
どうしてこんなにも時間が経ってしまったのか、それは、誰も責められないけれど。
俺は、彼女が望んだ未来をまだ見つけられていない。
彼女が伝えたかったことは、他にもあったのだろうと、手紙を見て分かった。
それがなんなのか、
知りたかったのに
けれど、知ってしまったら、色んなことを後悔する、そんな気がしていた。
もう既に、何も覆いきれていない。
溢れる涙は留めないのだ。
彼女に会いたい
もう一回
俺に伝えてほしい
君が一番言いたかったことを
間に合わなかったけど
どこかであの時の
言葉を聞かせてほしい
瑞希、生まれ変わっても
必ず俺のところへ来てくれよ
今度はきっと離れない
絶対幸せにするから。
また会おうな。絶対だからな
忘れんなよ?
これからもずっと
瑞希の笑顔を想ってる。