今夜、シンデレラを奪いに
仕切りというのは、代理店として契約するときに代金を何割で購入するか決めるものだ。
5割の場合はトパーズロジスティクスから定価の半額で買う。ウチが売るときには定価なので、半分はウチの会社の利益になる。
悪徳商法のように聞こえるかもしれないけれど、その分エヴァーグリーンでトラブル対応を受け付ける。5割は標準的な仕切り値で、決して買い叩いている訳ではない。
仕切りは両社にとって納得できるバランスを見定めるのが重要だ。
「トパーズロジスティクスって社員数50人くらいなんだよね。
これくらいの規模だと、もし大量に売れた場合にウチがしっかりサポートに入らないと、トパーズロジスティクスの人数じゃ回しきれなくなるよね。」
「今回はサポートを手厚くして仕切りを下げますか?」
「その方が良いと思うんだけど………」
どうしようかなと考えていたら、「見積りと価格算出なら俺がやっておきます。」と真嶋が言ってくれたので、私は企画書に専念することにした。
しばらく仕事に集中していると、隣で仕事してる真嶋に斉藤さんが話しかけている。
「あっははは、お前そういうの全然似合わねーな!」
「そうですか……気に入っているのですが。
先程、本社ビル内のコンビニエンス・ストアで在庫の全てを購入したので、宜しければどうぞ」
「おう、サンキュー」
真嶋が斉藤さんに手渡していたのがキャベッツ小太郎だったので、思わずその光景に目を疑った。
手渡しているだけじゃなくて、パソコンに向かいながら真嶋も食べている。芸術品のような指先は、優雅な所作で緑と黄色の奇抜なパッケージからキャベッツ小太郎をつまみ上げた。
「ま、ま、真嶋どうしちゃったの?」
最近変だと思っていたけど、これはいよいよおかしい。
自分の貧乏舌を呪うように、屈辱的な顔でキャベッツ小太郎を食べていた真嶋はどこに消えてしまったの。その残念な趣味が周りにバレるのをあれほど嫌がっていたのに。
「そんなに驚いてどうしました?
……ああ、俺が買い占めたので腹を立てているんですね。」
「へ?」
手のひらにぽん、とキャベッツ小太郎をのせられる。いやそういうことじゃなくて……。
「まるで飢えた獣のような顔をしていますよ?これで気をおさめてください。」
5割の場合はトパーズロジスティクスから定価の半額で買う。ウチが売るときには定価なので、半分はウチの会社の利益になる。
悪徳商法のように聞こえるかもしれないけれど、その分エヴァーグリーンでトラブル対応を受け付ける。5割は標準的な仕切り値で、決して買い叩いている訳ではない。
仕切りは両社にとって納得できるバランスを見定めるのが重要だ。
「トパーズロジスティクスって社員数50人くらいなんだよね。
これくらいの規模だと、もし大量に売れた場合にウチがしっかりサポートに入らないと、トパーズロジスティクスの人数じゃ回しきれなくなるよね。」
「今回はサポートを手厚くして仕切りを下げますか?」
「その方が良いと思うんだけど………」
どうしようかなと考えていたら、「見積りと価格算出なら俺がやっておきます。」と真嶋が言ってくれたので、私は企画書に専念することにした。
しばらく仕事に集中していると、隣で仕事してる真嶋に斉藤さんが話しかけている。
「あっははは、お前そういうの全然似合わねーな!」
「そうですか……気に入っているのですが。
先程、本社ビル内のコンビニエンス・ストアで在庫の全てを購入したので、宜しければどうぞ」
「おう、サンキュー」
真嶋が斉藤さんに手渡していたのがキャベッツ小太郎だったので、思わずその光景に目を疑った。
手渡しているだけじゃなくて、パソコンに向かいながら真嶋も食べている。芸術品のような指先は、優雅な所作で緑と黄色の奇抜なパッケージからキャベッツ小太郎をつまみ上げた。
「ま、ま、真嶋どうしちゃったの?」
最近変だと思っていたけど、これはいよいよおかしい。
自分の貧乏舌を呪うように、屈辱的な顔でキャベッツ小太郎を食べていた真嶋はどこに消えてしまったの。その残念な趣味が周りにバレるのをあれほど嫌がっていたのに。
「そんなに驚いてどうしました?
……ああ、俺が買い占めたので腹を立てているんですね。」
「へ?」
手のひらにぽん、とキャベッツ小太郎をのせられる。いやそういうことじゃなくて……。
「まるで飢えた獣のような顔をしていますよ?これで気をおさめてください。」