今夜、シンデレラを奪いに
「っ、何を言ってるの………」
真嶋が?私を?美しい?どれかが間違いじゃないと日本語として成立しない。
酔っているせいで思考がまとまらないのか、真嶋が近くにいるのも現実感が無かった。
真嶋の顔を天使みたいだと思っていたけどやっぱり違う。例えるなら悪魔の方だ。だって人を魅了して壊してしまいそうなほど綺麗だから。
現に私は睫毛が触れそうな距離になっても、真嶋の怒った顔に見惚れていた。
「透子」
普段は全く下の名前で呼んだりしないくせに、どうして。
左手の上に真嶋の手が重なった。その手がぐっと押さえ込まれて、少しだけ真嶋の重さを感じる。
少しだけベッドがきしんだのは、真嶋の膝が乗ったからだ。
あれ?
いつの間にこんなことになってる?
「…………!」
唇が、溶けるような苦しい熱に触れて、びっくりして顔をそむける。
「あなたは、自分のような女がキスを断ったら相手に悪いと思うのでしょう?その卑屈さを発揮するのは今ですよ。」
「なっ!
キス?何で?」
「あなたを許せないからです」
私にキス?
許せないから?
さっきから真嶋の言葉もやってることも変で、意味が飲み込めない。
まだ顔が怒っている。左手に加えて右の肩も押さえられて、本格的に身動きができなくなった。
「待っ……」
「待ちません」
もう一度唇が触れた。触れあっただけでわかる、こんなのはダメだ。
まるで魅惑の毒に侵されたような感じがした。一瞬で全身に毒が回ったのか胸が苦しくてしょうがない。
熱くて苦しくて逃げ出したいのに、さっきみたいに顔をそむけられない。それどころか、ますます深みにはまっていく。
「……んっ…………
今の真嶋は絶対に変だって」
「透子のせいです」
「冷静に考えてよ、どうして私たちがキスするの。恋人でもないのに」
「知っています。どうせ俺は透子が望む大人の男ではありません」
また唇が触れあって、三度目ともなると勝手に意識が溶けた。気が緩んだ隙にもっと深く溶かされて、もうこれ以上はダメと思っても逃げられなかった。
頬に手をかけられて、一瞬でも逃げようとするのを許してくれない。
真嶋が?私を?美しい?どれかが間違いじゃないと日本語として成立しない。
酔っているせいで思考がまとまらないのか、真嶋が近くにいるのも現実感が無かった。
真嶋の顔を天使みたいだと思っていたけどやっぱり違う。例えるなら悪魔の方だ。だって人を魅了して壊してしまいそうなほど綺麗だから。
現に私は睫毛が触れそうな距離になっても、真嶋の怒った顔に見惚れていた。
「透子」
普段は全く下の名前で呼んだりしないくせに、どうして。
左手の上に真嶋の手が重なった。その手がぐっと押さえ込まれて、少しだけ真嶋の重さを感じる。
少しだけベッドがきしんだのは、真嶋の膝が乗ったからだ。
あれ?
いつの間にこんなことになってる?
「…………!」
唇が、溶けるような苦しい熱に触れて、びっくりして顔をそむける。
「あなたは、自分のような女がキスを断ったら相手に悪いと思うのでしょう?その卑屈さを発揮するのは今ですよ。」
「なっ!
キス?何で?」
「あなたを許せないからです」
私にキス?
許せないから?
さっきから真嶋の言葉もやってることも変で、意味が飲み込めない。
まだ顔が怒っている。左手に加えて右の肩も押さえられて、本格的に身動きができなくなった。
「待っ……」
「待ちません」
もう一度唇が触れた。触れあっただけでわかる、こんなのはダメだ。
まるで魅惑の毒に侵されたような感じがした。一瞬で全身に毒が回ったのか胸が苦しくてしょうがない。
熱くて苦しくて逃げ出したいのに、さっきみたいに顔をそむけられない。それどころか、ますます深みにはまっていく。
「……んっ…………
今の真嶋は絶対に変だって」
「透子のせいです」
「冷静に考えてよ、どうして私たちがキスするの。恋人でもないのに」
「知っています。どうせ俺は透子が望む大人の男ではありません」
また唇が触れあって、三度目ともなると勝手に意識が溶けた。気が緩んだ隙にもっと深く溶かされて、もうこれ以上はダメと思っても逃げられなかった。
頬に手をかけられて、一瞬でも逃げようとするのを許してくれない。