今夜、シンデレラを奪いに
頭にひとつアイデアが閃いて、きっかけを作ってくれた鴻上さんにお礼を伝える。
この事は一回ゆっくり考えるとして、もうひとつの懸案事項について質問してみる。
「ところで鴻上さん、もう1個聞きたいんですけど、『許せない』とか『腹立たしい』とか言いながらキスする時ってどういう心境なんでしょうね」
「キス!?急に話の方向性が違い過ぎるだろ!
なんで俺にそういうこと聞くんだよ!?」
鴻上さんが慌てたように二、三歩後ずさりするので追いかける。
「一般的にどうなのかなーと思って。私が知ってる中でそういうの一番詳しそうな男の人って鴻上さんなので」
「随分な買い被りだな………。
想像の範囲で言うと、やっぱり付き合ってる相手が浮気したときとかじゃないの?
許せない、けど好き!みたいなさ。」
「うーん、付き合ってるなら確かに、そういうのも有りそうですね。
じゃあ付き合ってないときはどうでしょう?一般論として。」
「えぇ…………?」
斜め上辺りに視線を逸らして考え込んでいる鴻上さんを見上げる。鴻上さんを見ていると思い出さなきゃいけない何かを思い出しそうな気がする。
真嶋のこと。
不正のこと。
「や、あの、そんなにじっと見られると何ていうか…………」
この事は一回ゆっくり考えるとして、もうひとつの懸案事項について質問してみる。
「ところで鴻上さん、もう1個聞きたいんですけど、『許せない』とか『腹立たしい』とか言いながらキスする時ってどういう心境なんでしょうね」
「キス!?急に話の方向性が違い過ぎるだろ!
なんで俺にそういうこと聞くんだよ!?」
鴻上さんが慌てたように二、三歩後ずさりするので追いかける。
「一般的にどうなのかなーと思って。私が知ってる中でそういうの一番詳しそうな男の人って鴻上さんなので」
「随分な買い被りだな………。
想像の範囲で言うと、やっぱり付き合ってる相手が浮気したときとかじゃないの?
許せない、けど好き!みたいなさ。」
「うーん、付き合ってるなら確かに、そういうのも有りそうですね。
じゃあ付き合ってないときはどうでしょう?一般論として。」
「えぇ…………?」
斜め上辺りに視線を逸らして考え込んでいる鴻上さんを見上げる。鴻上さんを見ていると思い出さなきゃいけない何かを思い出しそうな気がする。
真嶋のこと。
不正のこと。
「や、あの、そんなにじっと見られると何ていうか…………」